14548人が本棚に入れています
本棚に追加
それを聞いてシモンはつまらなさそうに口を尖らせた。
「仕事って…属性の研究?」
「あぁ。一段落着いたら相手してやるから、我慢してくれ」
シモンはムスッとした表情を浮かべるものの、最後には頷いて承諾した。
「じゃぁおじいちゃん、組み手しよ?」
次はアースを誘うが、彼は顔を引きつらせながら魚の切れ身を口に加える。
「勘弁してくれぇ、腰が痛ぁて組み手なんぞ出来んわい」
腰をポンポンと叩いて、アースはアンリに目を向けた。
「組み手なら母さんにやってもらえば良いじゃろ?」
するとシモンはキラキラと目を輝かせてアンリを見る。
その視線にニッコリと優しい笑みを返してアンリは頷いた。
「お食事が終わってからね」
「やったぁ―!」
「やった―!」
両手を挙げて喜ぶと、その動作を真似するかのようにエリスも続く。
それを見た大人三人は微笑み、食卓は優しい笑い声に包まれた。
最初のコメントを投稿しよう!