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その後、食事が終わるとシモンとエリスは母のアンリの手を引っ張って中庭に飛び出した。
途中から2人の友達である近所の子供達も何人か集まり、屋敷の中庭は夕暮れまでワイワイと賑やかな子供の声が響いていた。
「じゃぁね~」
日が赤くなってきた頃、2人は近所の子供達と別れ、アンリと共に屋敷へ戻った。
屋敷の中へ入ると、まずはハバドの研究部屋が見えてくる。
その中は本、本、本…
棚に収まりきらない量の書物が無造作に机の周りに置かれ、書類も何枚か散らばっている。
シモンは何度かこの部屋に入りたいとハバドに頼んだ事があった。
親が親なら子も子か、シモンも属性の研究には興味があったのだ。
しかしハバドは「大事な資料があるから」と言って断っていた。
いつものように中だけ拝見して通り過ぎようとした時、机に座っていたハバドがおもむろに立ち上がる。
彼はそのまま数冊の本を持ち出し、トイレに入った。
チャンス……!
いけないとは感じつつも、シモンの体は本能のままに動く。
アンリとエリスに気づかれないよう静かに廊下を逆走し、こっそりと研究部屋に忍び込んだ。
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