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シモンが誕生して早くも十年の歳月が過ぎた。
「父ちゃん、行くぞ!」
今、銀髪で澄んだ青目の少年が拳を突き出す。
この少年こそが成長したシモンである。
サラッとした銀髪は肩まであり、それをゴムで一つに束ねている。
クリクリとした目はいつでも輝いており、それは今ある人物に向けられている。
「よぉし、いつでも来い!」
シモンの突き出した拳の先…
彼が「父ちゃん」と呼んだ人物は、もちろんハバドである。
ハバドは両手を広げて、胸を突き出す。
そんな彼に真っ正面から突っ込み、跳び蹴りを放った。
ハバドがそれを受け止めると、シモンは小さな体を反転させ、もう片方の足でハバドの顔面を狙う。
しかしそれもすんなりと避けられ、シモンは両脇を抱えられた。
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