一章

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「あ、紹介が遅れましたね。彼は私と同じクラスに今日転校してきた」 「有澤祥紀です。先輩方?」 有澤君が自己紹介すると、また秀哉先輩の顔が怖くなった 知り合い、なのかな? 「近藤、秀哉だよ」 「甲賀旭だ。有澤だったか?転校初日で疲れたろ?」 「ご心配ありがとうございます。けど俺、秋坂さんと帰りたいんで・・・」 秀哉先輩は苦々しげに自己紹介してくれた 旭先輩も、流れで自己紹介してくれたけど・・・なんか険悪な雰囲気 「・・・そうか。有澤の者が皐に何の用だ?」 「なんだ、甲賀の人も知ってたのか・・・そっちの近藤の人は分かりやすかったんだけどさ」 くく、と喉で笑う有澤君 私が秀哉先輩の傍に行くと秀哉先輩は私を見て柔らかく微笑んで抱き寄せると有澤君を見た 私は意味が分からず、秀哉先輩に抱かれたまま皆を見てみる 「大切にしてんなー。本人は知らないみたいだけど?自分の存在意義」 有澤君の言葉に、私は首を傾げた 私の存在意義とは? 私は、私には存在している意味があるの? 「はは・・・っ、この村の伝説の存在はあんた等にしか見つからなかったみたいだもんなぁ」 「・・・っ、伝説の、存在?」 待って。何故・・・ 何故知っているの? この村に代々受け継がれているあの伝説を・・・
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