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胸騒ぎがした。
駄目だ、青年。
早く其所から動け。
小生の身体が、風を受けてからザワワと唸る。
青年は動かない。
当たり前だ。
小生の言葉が青年に届く筈がない。
刹那、銃声が響く。
周りにいた鳥達が、一気に飛び退いて行った。
嗚呼、銃声とはこんなに響くものだったか。
……いや、そういえば小生は銃声を聞いた事すらなかった。
永い年月生きてきて、初めて聞いた銃声は、人を貫く音。
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