青年を思い

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青年が、鹿と共に崩れる。 “青年だったモノ”は、胸元から紅色の液をパタタと飛ばし、小生の足元へ崩れ墜ちた。 茂みから、先日の中年男が現れた。 「殺ったか!?」 ざかざかと落ち着きなく小生の元へ来て、自分の貫いた真実のモノをその眼に映し、顔を真っ青にさせる。 …無理もない。 鹿をしとめたつもりが、人だったのだから。 「お、俺か!?俺がやったのか!!!?」 中年は、ジリジリとソレから遠のき、小生にぶつかる。 「ひ、ひぃ…!!俺は悪くねぇ、そんな気はなかったんだ!!違う、俺じゃねぇ、俺じゃねえぇぇ!!」
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