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小生は、とある山のてっぺんより、少し下に位置している。
小生は小生でこの山を、動物達を、空気を気に入っていたし、皆も小生を好いてくれた。
春になれば薄紅色の花を咲かせ、つつじの次に山を彩った。
春が過ぎると、小生の身体には緑の葉が萌え、それは新しい小さな命達の重要な糧となる。
秋には残った枯葉を地面へと送り、土の肥やしにした。
冬には、冬眠をしない動物達の話し相手に。
……まぁ、話し相手は年柄年中の話しなのだが。
あとは、そうだな。
山には時々、人が来る。
小生を見て、何事か呟いた後に、すぐに立ち去った。
と、まぁ、小生の人生は、小生が生まれた頃から永遠に変わらない。
別段変わるモノでもないから。
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