秘密の地下4階

14/18
前へ
/329ページ
次へ
「おい! 惚けるつもりかい? 独房だよ」 「……」 北條豊は無言で小林を睨み付けた。 「こいつはょ、自殺する勇気なんかないと思うがょ。 でもよ俺に話したら前より眠れるようになったってよ。 その代わり俺が不眠症気味よ」 前田が苦笑いする。 「小林から聞いたが、お前の名前も豊だってな……」 「それが何か?」 豊が眉をひそめて呟いた。 「別に深い意味はないけどよ。 お前達は同じ匂いがする。 性格は暗いんだよな。 でも地下室は俺も好きだよ。 ところで、お宅の会社随分儲かってるそうじゃないか……」 前田がニヤニヤしながらそう言った。
/329ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9278人が本棚に入れています
本棚に追加