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「おい! 惚けるつもりかい?
独房だよ」
「……」
北條豊は無言で小林を睨み付けた。
「こいつはょ、自殺する勇気なんかないと思うがょ。
でもよ俺に話したら前より眠れるようになったってよ。
その代わり俺が不眠症気味よ」
前田が苦笑いする。
「小林から聞いたが、お前の名前も豊だってな……」
「それが何か?」
豊が眉をひそめて呟いた。
「別に深い意味はないけどよ。
お前達は同じ匂いがする。
性格は暗いんだよな。
でも地下室は俺も好きだよ。
ところで、お宅の会社随分儲かってるそうじゃないか……」
前田がニヤニヤしながらそう言った。
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