飛んで火に入る夏の虫
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豊は心の中でニヤリと笑った。 (コイツだけは決して許さない。 コイツの不当な暴力によって僕の人生が狂ったんだ。 自分から飛び込んで来るとはな。 飛んで火にいる夏の虫とは……前田お前の事だ。 でも今の人生も悪くない) 「それじゃ決定だな」 豊が、そう言いながら前田の前に紙袋を差し出した。 「な、なんだ!」 前田が紙袋を覗き、 『お、おぅ~!』 驚愕の声を出した。
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