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何を言ったらいいのかわからずに俺が黙ってると、先に望月が口を開いた。
『まあまあ。笑おうぜ?笑わないと福が逃げてくし。人を笑わしてぇならまずは自分から、だろ?』
『…そうだよな…あー、笑うって難しいー!』
いきなり叫んだ俺を、通行人が何事かと振り返る。
『ばか、声でけぇよ!』
『わりぃわりぃ。ははっ』
ふと横を見ると、笑った自分の顔が店のショーウインドウに写っていた。
『こんな顔でも芸能界入れる時代なんだなぁ…』
『ホントだよな。まぁ、おれはかっこいいけど、なんてな。』
『自分で言うなよ!』
なんてつっこんだりしてるけど、望月は本当にかっこいい。
それに比べて俺は…
もう一度ショーウインドウの中の俺を見る。
中の下。
多分、ブサイクといじられる部類。
まあ、そこまでひどい訳じゃないけど…
なんて色々考えてると、望月に肩を叩かれた。
『今日、検査なんだけど。ついてきてくれるか?』
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