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どうする。
この挑戦を受けなければ逆に1万円パァーだ…
アレを押す時間はこのあとの昼休みしかない…
くそ。
給食を食べながら俺は作戦を考えていた。食べ終わる頃には2つのことが頭に浮かんでいた。
一つは怒られること承知で全校を巻き込み、挑戦を素直に受けること。
もう一つは、児嶋に頼んで挑戦を撤回させてもらうこと。いや、後の方法はしたくない。どうせ児嶋がクラス中。いや、学年、学級に俺の無責任な発言を流し、全校が俺を冷たい目で見るだろう。それだけはなんとしても避けたかった。やはりやるしかないのか…気が重くなる。昼休みは15分間。あとは自分との戦いだ。
昼休みに突入すると、早くも児嶋は仲間を引き連れ俺のもとへやってきた。
ほら、やれるもんならやってみろよ。
という目で。
俺だって男だ。やるときはやってやる!
口だけは達者だな。とどこからか聞こえてきたような気がした。
クラスから一番近い火災報知機に向かうと、やはり緊張が襲った。今まで生きていて一番辛い戦いなような気がする。
ゆっくりと人差し指を伸ばす。小指が立ってるぞ。と笑われたが、そんなこと気にしている余裕がなかった。あと数センチ。俺はボタンをポチっと押そうとした。
ジリリリリリリリリリリー
いきなりの音に全員が悲鳴を上げた。
ま、待てよ。俺まだ押してねーぞ。
冷や汗が一気に体から吹き出る。頭が真っ白になる。
もう、なにがなんだか分からなかった。
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