微睡み

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あんなに激しく愛し合った過去をなかったことには出来ない。 少なくともあたしにはできないだろう。 かずしへの愛は嘘ではないが、せーじとの愛も嘘ではなかったからだ。 安らぎより刺激が爪痕を残し、甘い毒を漂わせる。 (いつかはいい思い出になる。) 今はそう自分に言い聞かせるしかない。 そんなことを考えながら、ベッドに横たわっていたらいつの間にか眠っていた。
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