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少しの静寂が部屋を包み、あたしは思い立ったように部屋を出た。
メールが途絶えてから10分くらいたったように思う。
だが、あたしには長い時間のように感じていた。
玄関の前に着くと、左右に首を振り、久しく見ていない愛しい人を探す。
息が弾み、胸元が咳き込むように苦しくなった。
一度目線を地面に向け、息を飲む。
そしてもう一度頭を上げた時、その人は現れた。
「ただいま。」
そこには笑顔の和志がいた。
何を勘違いしてか、迎えにきたと思っているらしく、その笑顔にはあたしに対しての好きがつまっていた。
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