現在~瑠美の場合~

6/6
前へ
/181ページ
次へ
「おかえり。」 愛想笑いを浮かべながらもあたしは和志に近寄った。 そして、さっき降りてきたエレベーターのボタンを押す。 一階で止まっていたエレベーターはすぐに扉を開け、あたしと和志はそそくさと乗り込んだ。 (こんなつもりじゃ…。) あたしが探していたのは、この人じゃなくてせーじだった。 (やっぱりもう遅かったのかな?) などと耽っていると、自宅の階にエレベーターは止まり、扉を開けた。 先に降りた和志が鍵を取出し、部屋を開ける。 あたしは何食わぬ顔で後に続いて入っていった。 このすぐ後に、何が起きていたかなんてわからなかった。
/181ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2040人が本棚に入れています
本棚に追加