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瑠美のマンションの前の交差点の信号待ちで膝に手を当て、息を整えている。
年だなぁなんてつぶやきながら顔を上げると、瑠美といつかの男が笑いながらマンションに入っていくところだった。
見たくない光景。
瑠美が他の男といるなんて…。
息を飲んで、ただその光景がゆっくり過ぎていくのを、ただ黙って俺は見ていた。
二人の姿が消えた後も、しばらく俺は立ち尽くしていたように思う。
よほどの衝撃が俺を襲ったのか、家までの記憶は薄れ、俺は気付くと朝を迎えていた。
一生懸命思い出そうとするのだが、何かが邪魔をして、頭が痛くなる。
瑠美はもう遠くに行ってしまったと言われたようで、胸が苦しくなる。
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