微睡み

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もう一度目を覚ましたときにはかずしの姿はなく、時計は昼の一時をさしていた。 (ヤバい。寝過ぎた。) いつものように会社に行ったと思われるかずしは、朝食の片付けをせずに出発したようだった。 (…間に合ったかな。) のそのそと動き出したあたしは、洗面所に向かい、鏡を覗き込む。 (ひどい顔。) 迷いが顔に表れているのか、とにかくあたしにはひどく写った。 歯を磨き、顔を洗い、髪を結い上げて、着替えをして…。 あたしは冷蔵庫から牛乳を取り出し、コップに注いで一気に飲み干した。
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