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ガッシャーン――
横山くんの家に戻ると、何かが割れるような音が聞こえた。
なんや…?
物が落ちる音、割れる音…
そして…
何を言っているかよく聞こえないが怒鳴り声も聞こえた。
俺と村上君は顔を見合せる。
そして、あの噂を思い出す。
まさか……
あの優しそうなお父さんが?
忠「帰りましょ。携帯は後で取りに来ます」
そう言っても村上君は動かない。
雛「まさか…」
そうつぶやくと村上君は玄関を開けようとした。
忠「勝手に入っちゃまずいですよ!帰りましょ!」
俺は村上くんを必死に止める。
雛「放せや!!」
忠「危ないですよ!」
雛「何が危ないんや!?」
忠「横山くんのお父さんは暴力がすごいって…」
雛「やっぱり…」
そう言うと村上くんは俺を振り払って玄関の扉を引っ張った。
しかし、鍵が掛かっているのか開かない。
村上くんはそのまま裏に回り庭に行ってしまった。
忠「まずいよ!村上くん!」
村上くんは俺の声にまったく耳を貸さない。
俺も急いで村上くんの後を追った。
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