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その時だった。
樹の上から音がしたのだ。
風で葉がなびく音とかではなくもっと不自然な音。
しまった……霊のことしか考えて無かったからわからなかったが、樹の上から確かな気配がする。
オーラとかではなく、誰でも感じとれるような人の気配だ。
人が樹を伝って移動しているのか……?
刹那、何者かの声と共に素早く、見事に冷助の隙をついた蹴りが降りかかってきた。
「すきありぃ!」
突然の奇襲に冷助は怯んで動けない。
しかし攻撃は当たらない。
つまり相手が勝手に外したのだ。
「はらほろひれはれ~」
樹の上から落ちてきたのは少女だった。
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