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「千香ゴメンっ」
琴子はグラリと身体が傾いだ千香を受け止めそのままソファーに寝かせる。
さっき千香に渡したお茶には母が常用している睡眠薬を混ぜていた。
「急がなきゃ」
肩甲骨下まである髪を一気に肩までバッサリ切った。
出来るだけ千香に似せなければ。
鏡で見ると 流石姉妹だけあって髪型を一緒にしただけでもずいぶん似るものだ。
元々顔立ちが似てはいたが白塗りして衣装を着てしまえば親戚でも分からないだろう。
メイクや着付けをしてくれる人は専門の人なので騙せるが、万が一 町内の人の出入りがあった場合にバレないよう最善を尽くす必要があった。
千香を守る為に。
琴子は箪笥から引っ張り出してきた千香の洋服を着、マスクをつけて 祭りの花嫁控え室へ向かった。
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