始まり。

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「ねえ、僕の秘密、知りたくない?」 「え?」 「僕は環境だけなら王道だから。教えてあげるよ、君の興味があること全部。その代わり、僕に協力して」 ぱちぱちとまばたきを繰り返した後、桐山はにやりと笑った。 「協力と情報の内容にもよるけど……いいよ。ボクもキミに興味あるし、たぶん風紀の力を借りようとするってことは、目立ちたくないだとか、そんなことだろうし」 「首席は伊達じゃないみたいだね。うん、僕の望みは目立たずひっそり生きること。ねえ、協力してくれる? 理事長からとか裏からとか、知りたいことは出来る限り教えてあげるよ」 「その話乗った! 何でもするよ! やっぱキミ、理事長と知り合いだったんじゃん! 溺愛とかされてないの、ねえねえ!」 やたらギラギラした様子で近づいてくる桐山が気持ち悪くてとりあえず殴る。まったくへこたれないのが恐ろしい。腐男子怖い。いや僕もだけれど。 「溺愛なんてされてないよ。ああでも従兄弟がもうすぐ来るかな。僕の叔母の息子でね、すごく明るくて元気だけど少しKYな子なんだ。王道に仕込むことも出来るけど……見たい?」 「もちろん!」 よし。桐山はオチた。これで僕の平穏は多少守られるだろう。
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