-第1章/[乙女たちの園]-

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「……?」 振り向いてそこにいたのは、渚砂と同じ服を着た…それでも渚砂より少し年上くらいの銀髪をした少女。 木に手を置きながら俺を見ている。 その人を見た…第一印象を述べるとすれば…… ---…「綺麗」だった…。 「アンタ……誰だ…?」 とりあえず無言で見つめ合うのも変な感じなので、名前を聞こうと口を開く。 「私…?私は……」 相手が名乗ろうとした直後、春一番のような強風が吹く。 しかし、名前は聞き取れた。 いや、聞いてしまった。 その少女の名は…… …「花園静馬(ハナゾノ シズマ)」だ。 「よろしくね…編入生さん……」 優しそうに微笑みながら近付き、手を差し延べる。 その手には、古びた…それでいてかなり高価そうな懐中時計が乗っていた。 「あ…これ、どこで?」 「これ…貴方のだったの…?そこに落ちてたから拾ったのだけれど…名前がないから誰のかと……」 「そっか…ありがとう」 微笑みながら差し延べられた手を握ると同時に、懐中時計を掴んで立ち上がる。 「…………」 「ん…?どうした?」 静馬が黙ってこちらを見ている。 だから心配になって聞いたのだ。 だが……。 「…おもしろい人……」 そう言えば、優しい微笑みから妖しい微笑みに変わり、俺の手を絡めてくる。 「え…?」 「気に入ったわ……貴方…」 そう言って顔を近付ける静馬。 動かそうにも、何故だか身体は動かない。 そうしてる間にも静馬と自分の顔(唇)の距離は近付き…… ---…俺と静馬の唇は…重なった……。
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