20人が本棚に入れています
本棚に追加
-????-
「はッ…!」
目を開け、起き上がる。
そこは保健室のような場所。
いや、寧ろ保健室である。
その保健室のベッドで司は目を覚ました。
「ここは…保健室か……?…何でこんな場所(トコ)にいるんだ…?」
そう言って周りを見ながら視線を左に向ければ、蒼い髪の少女が、こちらを見ながら座っていた。
「……………」
「……………」
---無言から3秒後。
「……アンタ…誰だ?」
静馬にした質問を少女に言えば、少女は笑顔で答えくれた。
「はい…。私は涼水 玉青(スズミ タマオ)といいます。貴方の友達の渚砂ちゃんのルームメイトで…貴方と渚砂ちゃんと同じクラスの生徒です。…貴方のお名前は…?」
そう言えば、今度はこちらの名前を聞いてくる玉青。
---…仕方ない。名乗ってやるか…。
「俺は桜井 司。よろしくな」
そう言って相手に微笑む。
---…正直笑顔は苦手だ。…いやホントに。
「そういえば…渚砂のルームメイトだって言ったよな?渚砂は?」
渚砂と途中ではぐれたので、心配していた。
いや…寧ろ「俺が心配をかけている」と言ったほうが無難だが……。
……まぁ今は置いておこう。
「はい…。渚砂ちゃんは司君を…それはもう心配していましたよ?まるで王子様がいなくなったお姫様みたいに…♪」
「テンションを上げて言うな……まぁいいか」
渚砂の安否を確認すれば、窓の外を見る。
そこからは、アストラエアの丘の一部が見えた。
「……ホントに俺…女学園に来ちまったんだな…」
「そういえば…司君は何故ミアトルに?」
「あぁ…実はな……」
玉青に「アレ」の事を聞かれれば、もう投げやり気味に洗いざらい話す。
もうヤケクソだった。
-3分後-
「……どうだ」
「よ、よく有りがちなパターンですね…」
「だろ…?」
話したはいいが、やはり落ち込む。
どこに好きで女学園に通う男子がいる?
何だ、俺は変態か?
言ってみやがれちきしょぉぉおお!!!!
……とまぁそんな自嘲は置いといて。
そう思っていると、玉青が口を開いた。
「でも…どうして司君のご両親方は司君をこの学園に…?司君の御祖父様の遺言だけじゃないと思うますけど……」
「何だって…?」
そう…俺の聖ミアトル女学園への転入には、祖父である「桜井 源次郎」が関わっている。
最初のコメントを投稿しよう!