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え?それは俺だけ?
……まぁいいや。
とりあえず、半デート気分の学校案内は、もうほとんどが終了。
あとは寮に帰るだけだが……
「…玉青、いつまでくっついてる気だ?」
「司くんが望むなら…ベッドのN「それは勘弁してマジで!」」
ベッドにまでついて来られたら、堪ったもんじゃない。
「そうですか…残念ですね…」
「いや…本気で残念そうな顔して言うなよ…」
苦笑いをしながら玉青にツッコむ。
……何だろう、俺のキャラがツッコミ担当になっている気がする。
まあそんな事は置いといて、時間はもう午後5時半。
俺達は「いちご舎」と呼ばれる宿舎に到着した。
そして、その場で気付く事が一つ。
「……なぁ、渚砂は?」
「さぁ…?見てませんね…。もしかしたら、もう部屋にいるのかもしれません」
「…俺ちょっと探してくる」
心配だと思って、渚砂を探しに行く。
…友達だからな。
そんな事を思うと、少しにやける。
…変な意味でじゃないぞ?
そう思いながらしばらく走れば、ミアトルの服を着た生徒を見つける。
「ん…あの人に聞けばわかるかもな」
呟きながらその人に近付き、肩を叩く。
「あの~…すみませ…ん…」
肩を叩き、振り向いた相手に言葉が途切れる。
「あら…司じゃない…♪」
「し…静馬…さん…」
焦りながら相手に返事を一つ。
…余計な人に会ったな、俺。
「まさかこんな所で会えるなんて…ね、深雪?」
「えぇ…そうね」
静馬さんが「深雪」という名を出せば、後ろから黒に近い青色の髪をしたミアトル生徒が歩いてくる。
「さ…一緒に帰りましょ、司」
嬉しそうに腕に抱き着きながら、いちご舎に向かって歩きだす静馬さんと深雪さん。
「あ、いや、その、俺は渚砂を「渚砂さんなら、もう寮に帰ってるわ」…マジですかい…」
「もぅ…私にも構って?司…♪」
腕と体を抱き寄せながらアプローチを掛けてくる静馬さん。
それとは対照的に、冷静に俺と静馬さんに接する深雪さん。
…前に誰かから仲良いって聞いたけど、不思議だな…。
そう思いながら静馬さんを見れば、視線に気付いたのか微笑む。
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