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「どうしたの…?」
少し悩ましい声で、司に聞く。
…やめろ、そんな声で質問するな。
「いや…何もねーです…」
「そ…ならいいわ…♪」
「………」
それでも離れない静馬さんと、その光景を冷たい目で見る深雪さん。
…深雪さん。目が冷たいですよ、目が。
相手の視線に苦笑いで答えている内に、いちご舎に到着。
「5時50分…ギリギリセーフね?深雪」
「どこかの誰かさんが会議をサボらなきゃ、もっと早く帰れたのだけれどね?静馬」
「…………」
俺を間に口論をする2人。
…あぁ、早く部屋に帰りたい。
せっかく個室に入れたのに…。
まだ荷物整理もしてないし…。
「ま…まぁ…早く寮に入りましょうよ💦シスターに怒られますから💦」
「そうね…♪」
「そうしましょうか…」
2人の間に入って止めれば、2人とも口論を静止した。
…てゆうか今、深雪さんが笑顔になった気がするんだけど…気のせいかな?
そう思って深雪さんの顔を見れば、少しだけ微笑んでいる。
そして視線に気付いたのか、深雪さんがこちらを向く。
「どうかした?司くん」
気のせいじゃなかったのか、優しく微笑みながら答える深雪さん。
…正直、一瞬綺麗だと思った。
「いや…何も…」
「ふふ…そう…」
「…………」
深雪さんに独占されたのが面白くないのか、さらに静馬さんが抱き着いてきた。
……これから心配だな、俺…。
心でため息を付きながら、俺達は寮に入った。
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