-第1章/[乙女たちの園]-

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-???家/???自室- 「新しい制服…やっぱりかわいいッ♪」 そう言って白いフリルの袖口と襟が付いた、ドレス系の黒い制服を自分の前に翳すこの少女。 ---名を…蒼井 渚砂(あおい なぎさ)という。 「少しは大人っぽく見えるかな?」 そう言って制服を翳した鏡の自分を見る。 …が。 「ん~…この童顔じゃやっぱダメか…」 ダメ出ししながら自分の頬をむにむにと引っ張る。 しかし渚砂はすぐに、エヘッと笑いながら笑顔を作って言う。 「でも笑顔は今日もカンペキ!」 そう言って時計に目を向ける。時間は7時10分。 「あッ…Σ(゚Д゚;)」 小さく叫び、渚砂は急いでドアを開けて階段を下りた。 「わぁ~~っ!大変、遅れちゃう~~!!」 そして玄関に座りブーツを履いている最中、渚砂の母親がオロオロしながら寄って来て言った。 「渚砂、今日からは寄宿舎生活なのよ?本当に大丈夫?ちゃんとやっていける!?あなたってば、ドジだし忘れ物多いしアガリ症だし……お母さん心配で心配で……」 「ううー、ひどいッ!確かにそうだけどっ!」 母の言い分に少しヘコむ渚砂。 しかし渚砂は、靴紐を結んで言った。 「……でも、やっていくしかない…よね?」 そう言って玄関のノブを掴んで、外に出ながら言った。 「じゃ、いってきます!心配しないで、きっと大丈夫だから!」 そして渚砂は学校へ歩を進めた。 だって… 朝からこんなにいいお天気で… こんなに晴れ晴れとした気分で迎えることのできた新学期だもの! 渚砂は神様のことってよくわからないけれど こんなステキな日は… きっと神様が、渚砂のことを応援してくれてるような気がするの! そう心で呟いていると、いつの間にか駅に着いていた。 「あれッ?いつの間にか駅に着いてたんだ」 そう言って駅のホームを歩いて、適当な場所に立っていると、自分と同じ色の黒い「男物」の制服を着た青年が自分の横に立っているのに気付いた。 「(私の制服と同じ色の服…ミアトルの生徒かな……そんな訳ないよね。あそこは全部女子校だもん)」 そう思いながら青年を見ていると、こちらに目を向けて言った。 「……何か用か?」 青年に言われ、渚砂はとりあえず名前を聞いた。 「あ、えーっと、…名前を、教えて欲しいな~って……」 「……桜井 司。お前は…?」
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