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-司Side-
「あ、えーっと、…名前を、教えて欲しいな~って……」
俺の横に立っていた紅い髪の少女がそう言う。
とりあえず、名乗っておく事にした。
「……桜井 司。お前は?」
相手の問いにそう答えれば、少女も名乗った。
……まぁ…当たり前だが。
「私、蒼井渚砂っていいます。よろしくねっ、桜井君!」
そう言って渚砂と名乗った少女は、笑顔で俺に握手を申し込んできた。
仕方ないので握手に応じる。
なんとも元気な少女だ、と心の中で呟いたのは秘密だ。
そう思っていると、プァーンという音とともに電車がやってくる。
とりあえず、場所を電車に移動して話を再開した。
-車両内-
「…で、お前は何処の学校なんだ?」
制服からして同じ学校だろう、と思った司は、渚砂に編入する学校を聞いてみた。
「えーっと、渚砂は、聖ミアトル女学園だよ。桜井君は「司でいい」え?」
「言いにくいだろ、苗字。だから司でいい。そのかわり、俺もお前の事を渚砂って呼ぶから」
司にそう言われ、渚砂は呼び方を変えた。
「それじゃあ…司君は、何処の学校なの?」
「……お前と同じだ////」
顔を真っ赤にしながら、司は答える。
予想していたとはいえ、やはり恥ずかしい。
そしてその答えに、渚砂は呆然としながら聞き返した。
「……ほ、本当に……?本当に…聖ミアトル女学園……なの…?」
渚砂の返事に、司は首を縦に振って応える。
「そ、そうなんだ…。…気の毒だね……」
「あぁ…。まさか女学園に編入させられるなんてな……(泣)」
そう言っていると、いつの間にか目的地のある駅に着いてる事に気付く。
そこからは歩きだったので、とりあえず2人は目的地へと歩を進めた。
-アストラエアの丘付近-
「…アストラエアの丘って……結構遠いんだな…」
「そう……だね…」
しばらく歩いていると目的地である『アストラエアの丘』の近くまで来たが、まだ掛かるようである。
ふと時計を確認すれば、いつの間にか7時30分を回っていた。
そして登校時間は……8時30分。
「……渚砂」
「ん?何?」
「…走るぞ」
「え?」
そう言いながら司は、渚砂の手を掴みながらアストラエアの丘まで走り出した。
「えぇ~!?何で急に走るの~!!?」
「お前も転入初日から遅刻したくないだろ!?」
「それはそうだけど~!💦💦」
そんな会話を続けながら、司達はアストラエアの丘へと向かった。
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