-第1章/[乙女たちの園]-

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-司Side- 「あ、えーっと、…名前を、教えて欲しいな~って……」 俺の横に立っていた紅い髪の少女がそう言う。 とりあえず、名乗っておく事にした。 「……桜井 司。お前は?」 相手の問いにそう答えれば、少女も名乗った。 ……まぁ…当たり前だが。 「私、蒼井渚砂っていいます。よろしくねっ、桜井君!」 そう言って渚砂と名乗った少女は、笑顔で俺に握手を申し込んできた。 仕方ないので握手に応じる。 なんとも元気な少女だ、と心の中で呟いたのは秘密だ。 そう思っていると、プァーンという音とともに電車がやってくる。 とりあえず、場所を電車に移動して話を再開した。 -車両内- 「…で、お前は何処の学校なんだ?」 制服からして同じ学校だろう、と思った司は、渚砂に編入する学校を聞いてみた。 「えーっと、渚砂は、聖ミアトル女学園だよ。桜井君は「司でいい」え?」 「言いにくいだろ、苗字。だから司でいい。そのかわり、俺もお前の事を渚砂って呼ぶから」 司にそう言われ、渚砂は呼び方を変えた。 「それじゃあ…司君は、何処の学校なの?」 「……お前と同じだ////」 顔を真っ赤にしながら、司は答える。 予想していたとはいえ、やはり恥ずかしい。 そしてその答えに、渚砂は呆然としながら聞き返した。 「……ほ、本当に……?本当に…聖ミアトル女学園……なの…?」 渚砂の返事に、司は首を縦に振って応える。 「そ、そうなんだ…。…気の毒だね……」 「あぁ…。まさか女学園に編入させられるなんてな……(泣)」 そう言っていると、いつの間にか目的地のある駅に着いてる事に気付く。 そこからは歩きだったので、とりあえず2人は目的地へと歩を進めた。 -アストラエアの丘付近- 「…アストラエアの丘って……結構遠いんだな…」 「そう……だね…」 しばらく歩いていると目的地である『アストラエアの丘』の近くまで来たが、まだ掛かるようである。 ふと時計を確認すれば、いつの間にか7時30分を回っていた。 そして登校時間は……8時30分。 「……渚砂」 「ん?何?」 「…走るぞ」 「え?」 そう言いながら司は、渚砂の手を掴みながらアストラエアの丘まで走り出した。 「えぇ~!?何で急に走るの~!!?」 「お前も転入初日から遅刻したくないだろ!?」 「それはそうだけど~!💦💦」 そんな会話を続けながら、司達はアストラエアの丘へと向かった。
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