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-アストラエアの丘/校門前-
「はぁッ…はぁッ…」
「はぁッ…はぁッ…」
息継ぎをしながら校門前で中腰になりながら息をする。
…しかしながら、いろんな意味で危ないページの変わり方である。
「(ほっとけ天の声め…)ま、とりあえずは間に合ったな……」
「そ、そうだね……💦💦」
そう言いながら二人は校門をくぐり、学校へと歩を進めた。
「………なあ、渚砂」
「ん?」
「……周りの視線が痛い」
そう言われて周りを見る渚砂。
確かに司を見ながら何かを呟いている。
「まぁ…女子校に男の子が来るんだから…注目するのは当然だと思うけど…💦」
「あぁ…なるほど…」
半分自嘲気味に笑いながら歩いていると、地を踏んだ右足が何かを踏んで滑る。
「え……」
下を見るが時すでに遅し。
「あぁぁああぁああッ!!!??」
絶叫を響かせながら、下にある林に向かって坂を滑り降り(滑り落ち)ていった。
「あれ、司くん?」
前を歩いていた渚砂だが、いつの間にか司がいない事に気付く。
「どこに行ったのかな…もしかして先にいったのかな…?」
そう言いながら渚砂は、アストラエア寮まで歩いて行った。
-アストラエアの丘/謎の林[司Side]-
「……ここ何処さ」
そう言って立ち上がり、辺りを見回す。
だが辺りに見えるのは、綺麗な林と、澄み切った蒼い湖、その奥には建物が見えるが、目的地ではなさそうだった。
「………とりあえず…進むしかないか…」
そう思っていても、やはり歩を進める。
---立ち止まるな、前へと進め---…。
誰かが言っていた気がするが、そんなのはどうでもいい。
その人の言う通り、俺は止まれない。
例え…何が俺の前を阻もうと……。
そう思いながら右ポケットに手を入れる。
そう…この中にはその時の品が入って---……。
「……あれ?」
左のポケット、尻ポケット、鞄の中…。
全ての場所を探したが、「あれ」が見つからない。
「……落とした?」
がっくりとその場にうなだれる。
その時、後ろからヒールで歩くような感じの音を聞く。
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