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声がした方には案の定、気を失う前にも見た死神がいた。
「……」
少年は今の自分が置かれている状況を聞く前に、死神をマジマジと見た。
「……あ゙?何見てんだガキ」
(こいつは、死神というより……)
「……チンピラじゃん」
確かに少年の言う通り、死神は見た目も口調もチンピラだ。
「あぁ……昔はチンピラだったな」
少年の呟きに、死神は懐かしそうに答えた。
「昔?」
「俺も10年くらい前までは人間だったんだよ」
でもな……と死神は続ける。
「唄っちまったんだよ、お前と同じでな。まぁ、俺はお前と違って他人に恐怖感を植え付ける為だが」
少しアレな発言だが、少年が反応したのはお前と同じ、という言葉だけだった。
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