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「あーぁ、また唄っちまった奴が1人……今度もガキか」
"下界"を見ながら、くつくつと笑う――死神。
「全く、ガキってのは随分と好奇心が旺盛だな……それが身を滅ぼすのによ」
死神は目を細め、さも愉快そうだ。
「新月は今夜……」
死神は不気味な笑みを浮かべる。
新月の夜は"連れ去るだけ"、その服が赤く染まるのは満月の前の晩。
故に、死神は鎌を持っていく必要がなく、その手には何も持たずに"下界"に飛び立った。
死神が置いていった巨大な鎌は、大量の血が染み込み赤く染まっていた……
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