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カタカタカタ
大量の電子機器がある部屋の中、無機質なタイプ音が鳴り響く、目の前のディスプレイには大量のウィンドウが開かれては消され、また開かれては消されている。
「美咲ちゃ~ん、紅茶がはいったよ~」
間延びした声とともにドアが開かれ紅茶を乗せたトレイをもったメイド姿の少女が現れた。
「……ありがとう双葉」
双葉と呼んだ少女から紅茶を受け取ると口をつける。
「調子はどう?」
「必要なデータはほぼ全て揃ったわ。あとは実際に試してみるしかないわね」
眼鏡を外し一息つく
「やっぱり人が相手じゃ確実ってわけにはいかないよね」
「そうね、ドコまで誤差が生じるか不確定だけど、私は不確定すら計算してみせるわ。それで朋代はまだ寝てるの?」
「起こしてこようか?」
「そうね、そろそろ動きたいからお願い」
「了解!」
勢い良く部屋を飛び出していく姿を見送り、再びディスプレイに目を向ける
「三上くん、悪いわね」
そこには学のデータが事細かく表示されている。
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
悲鳴が上がるのを聴いて軽く嘆息する。
ドタドタドタドタ
「美咲ぃ!!お前かぁ!双葉にあんな起こし方教えたのは!!」
荒々しい足音と共に部屋に飛び込んできた少女を一瞥するとため息をはく
「常日頃からきちんと起きないからよ」
「なぁ!?寝てるんだから仕方ないじゃあぅっ」
勢い込んでる少女に何かを投げ付けて黙らせる。
「寝すぎなのよ」
「ちょっ今何投げ付けた?!………ハンペン??なんで?どうして??」
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