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「ハンペンには消臭効果があると聴いて試してたのよ」
「つまり………」
「二日ほど前のね」
「うぉっ!汚な!」
つまみ上げてプラプラと振っていたハンペンを慌てて放り投げる。
ぺしゃっ、と音を立てて床に落ちたハンペンを美咲は拾い上げため息をはく。
「食べ物は粗末にしてはいけないと習わなかった?」
「粗末にしてるのは美咲だろ!」
「あら?ちゃんと食べるわよ?」
「二日間放置されたハンペンをか?!」
「えぇ、今日の夕食に…………朋代が」
ボソッと最後につけ加え、部屋の隅に置いてある水の張られた洗面器の中にハンペンを浮かべる
「しかしまぁ相変わらず体に悪そうな部屋だな」
「そうかしら?」
「電磁波が大量に発生してそうだからな、将来子供ができなくなるぞ?」
「相変わらず馬鹿ね、電磁波なんて家電品一式全てから出ているのよ?この程度で身体に害を及ぼすようならこの国はとっくに破滅してるわ」
「んむ……小難しい話ではぐらかさないでくれ!」
「はぁ…」
ウガァーッと吠えている朋代を呆れ顔で無視する。
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