それぞれの夜

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「捺乃(なつの)、誰に言ってんの?」 「亜樹斗(あきと)に言ってる」 「俺が口出すのと違うだろ」 「どう違うの?亜樹斗(あきと)は好きなことをしてる。私の仕事だって好きなことなんだよ?」 「好きなことをしてるって言っても、お前元気がねぇじゃん」 亜樹斗(あきと)に言われて捺乃(なつの)は顔を上げた。 「‥‥辛いと思ったことなんてもう忘れたわ」 「もっと楽しめよって言いたいんだよ。俺は」 「楽しんでるわよ。好きなことをして楽しんでるの」 「じゃあなんで笑ってないんだよ」
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