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捺乃(なつの)の携帯が鳴り響いた。
「‥‥紗杞(さき)です」
「…五万でやらない?」
「んー‥八万」
紗杞(さき)は冷たい声で言った。
「‥‥わかった」
「場所はどうします?新宿でいいですか?」
「いいよ。じゃあ9時に新宿で」
「わかりました」
紗杞(さき)は電話を切った。
「あ―‥疲れた。‥‥盗み聞きが趣味ってちょっと人の道に反してるんじゃないの?瀬津(せつ)」
「ごめん捺乃(なつの)。でも、心配で。紗杞(さき)って誰?」
瀬津(せつ)と呼ばれた女の子は捺乃(なつの)の幼馴染みだ。
捺乃(なつの)が同性で唯一心を許せる存在だ。
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