0人が本棚に入れています
本棚に追加
痛みと孤独を感じつつ、三年の時に知り合った友に薦められ、同じ学校の人が殆んど来ないという高校に進学する事にした。
県立ということで学費も安かったし、親も県立なら……と快諾してくれた。
試験も簡単だったし、内申書も悪くはなかったのですんなりと合格出来た。
「誰も知らない所なら、新しい生活が出来るはず……」
知ってる人に会いたくなかった。 特に私を虐めてた人間に……。
ところが、入学してみると虐めてた中心人物が同じクラスに居たのだった。
なるべく近付かない様にはしていたが、たかだか数十人程度の人数だったため、否応なしに存在がバレてしまった。
その子は自分の友達や仲の良くなった先輩達に、時折こちらを見ながら何やら話をしているのをよく見掛ける様になっていた。
ところが、私やこの高校を薦めてくれた友の存在が高く評価されていたらしく、中学とは逆の立場になっていた。
幸い私は先輩達には信用が高かった様で、彼女が振り撒いたと思われる噂には耳を傾けず、逆に彼女を非難し始めていた。
そのうち、その子の取り巻き達が直接私に嫌がらせをし始めるようになってきたが、先輩達のおかげで大事にはいたらなかった。
噂が発つ前に彼女の評判が悪くなったため、昔の事が公に曝される事は無くなり、彼女は一年留年することになった。
そのおかげで高校生活は楽しいものとなった。
一つ上の先輩の中には周りに気に入られている私が気に入らないのか、数人で遠巻きに悪口を言う女の様な男子生徒が居たが、
「聞こえてるよ」
と言う私の声に反応したのかまた少し離れてこちらを睨み付けながら何やら耳打ちしていた。
その光景は二年間変わることはなかった。
最初のコメントを投稿しよう!