序章

2/2
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
うるさい…うるさい…うるさい…。 だから夏は嫌いだ…。 寝る事もままならない蝉の鳴き声。 そしてこの溶けそうな暑さ。 そしてクーラーも壊れたと来たもんだ。 俺は夏男じゃねぇんだよ。 暑い…暑い…暑い…。 「サトシぃぃ?」 「………」 「サトシ居るなら返事なさぁい!!」 「………」 「サトシおぃコラぁ!!」 「暑い!!」 「知るか!!そんな事お母さん聞いてません!!」 いかにも中年主婦な空気バリバリのオカン。 エプロン姿に片手におたまって…あんたはサ○エさんか? 「なんやねんくそばばー」 俺はうちわ片手に返事した。 「あんたさっきまで思いっきり標準語やったやんか!!物語りの終わりまで標準語で統一なさい!!」 「いや…もう限界を感じてん…」 「何に!?」 「この世の全てに…」 「どんだけマイナス思考よあんた!!」 「なんやねん!うるさいなぁー!!暑いねんからほっとけや!!オカン暑い!!なんかオカンの存在暑い!!」 「うるさい!!ちょっと買い物行って来て!!」 「はぁぁ!?この暑いのにか!?殺す気かぁぁぁぁ!!」 「この暑いのにや!!あんたなんか1回死んで来なさい!」 我が息子に冗談でも死ねって…。 この人やっぱり頭のネジ一本外れてはる…。 俺は大分前から確信してた。 てゆうか生まれる前から知ってた。 「勘弁してくれよ…」 俺はそう言いながらフラフラになりながら買い物に行く事にした。 トランクス一丁で。 「あんた犯罪者なる気か!!」 オカンのツッコミはいつも熱い。 色々と暑い人で有る。  
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!