1章

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和也とサトシは高校に入ってから出会った。 高校に入ってから大体いつも一緒に居る癖にまだ深く語り合った事は無い程度の仲で有る。 和也は制服の時でも音楽少年と言われれば、そうだろうなぁと納得の出来る格好をしていた。 ドクロのネックレスにシルバーのブレスレット、髪は奇抜に赤のメッシュが入っており、目立つピアスも耳と口にしていた。 だから学校では校則違反のピアスや髪に対して教師達は口うるさかったが、整った顔立ちは女子達を引き付けた。 そして何故か妙にサトシと和也は気が合った。 今日の私服を見れば一目瞭然。 ギターを担いだ姿を見れば「音楽少年」から「ROCK少年」に早変わりだ。 「サトシはどんな音楽聴くん?」 「ん~音楽つっても…親が演歌好きでそれを無理矢理聴かされてたくらいやなぁ…」 ただなんとなくで付いて来たサトシは特に音楽に興味が有るわけでも無かった。 ロックのなんたるかさえ理解していないサトシ。 そんなサトシを見る和也の目は何か企んでいるようにも見えた。 「じゃあ楽器も当然…?」 「あぁやった事無いねぇ…でも小学校の時に先生にリコーダー上手いって誉められたで!」 苦笑いの和也は思っていた。 サトシは何も興味を示す事も無いし、特に趣味が有るわけでもないからなぁ…。 これを機に少しでも音楽に興味持ってくれれば良いんだけど…。 「まぁ今俺のバンドはボーカルがおらんから楽器だけやねんけどさ」 「ふ~ん」 特に興味を示す様子も無いサトシ。 気付けばもう和也の言う「スタジオ」が見えていた。  
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