たんぽぽ

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「ただいま~」 ん…?帰ってきたか…。 「なーに?また寝てたの?牛になっちゃうよ?」 ニコニコしながら答える彼女は、オレの彼女。 おせっかいな奴ではあるが、性格は良い子だ。 その彼女のバッグを見てぎょっとしてしまうオレ。 「な、なんだそのたんぽぽの束は…」 「ん?嗚呼、これ?可愛いから摘んできた♪」 「いや…摘んできたって…。どこで摘んでくるんだよ…」 「道にね、生えてたんだ。」 「ん…?待て、道って…」 「アスファルトの道だよ?どうかした?」 「うん、そうだよな…何言ってんだオレは。あはは。」 彼女はたんぽぽを花瓶に入れて、やはりニコニコとしている。 まあ、いつもの気まぐれだよな…きっと。
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