冬の少女

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 昼の空。景気の悪い灰色に、教室から溜め息が漏れた。  連休の明けた月曜日も、太陽の隠れた空に吹き荒ぶ風はあの日と一緒だった。それでも朝、家から出るときの風の強さは、くらぶべくもないくらい優しかったけど。  そう、中庭で女の子と出会った金曜日。今日みたいな、曇天に強風の日は、嫌でも彼女の綺麗な顔を思い出させる。  あの儚げな、綺麗な顔を。 「レイ、もう昼休みだぞ?」  窓から顔を向けると、嘉樹が俺の目の前に立っていた。  嘉樹の顔は、こんな曇り空より晴天が似合うよな……なんて、一瞬考えてしまう。  平たく言えば、俺なんかよりよっぽど整った顔立ちなのだ。 「ああ……そうだな」  いつの間にか、四限が終わっていたらしい。チャイムの音すらも、聞き逃してしまったのか。 「学食行こうぜ、学食」  嘉樹の後ろから、香水野郎、慶次が顔を見せた。例のネックウォーマーは、今日はしっかりと装備していた。 「そうだな……」  彼女のことは気になる。だけど、それ以上でも以下でもない。  そう。俺がわざわざ心配する必要はないんだ。  半ば自分に言い聞かすようにして、俺は慶次らの後に続いた。
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