第1章 生き残った少女

3/3
前へ
/223ページ
次へ
たとえひとつのモノが壊れても、世界は変わらず朝がくる。 夢であってほしいと願っても現実は変わらない。 最早居場所なんかなくなった。 町の人の骸を埋めたら、旅にでようと思った。 カノンは体に起こした。土の上で寝ていたため、全身が痛い。 焼け跡の残骸をよける。太い枝を見つけてきて穴を掘り、1人1人を埋めていびつな手作りの十字架をさす。 終わるまで3日間かかった。 その間ずっと何も口にしてなかった。水さえも。 ただもくもくと続けていた。 服についた泥を簡単に払った。 果てしないさまよいの旅が始まった。
/223ページ

最初のコメントを投稿しよう!

179人が本棚に入れています
本棚に追加