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既に布団など、使命を果たしておらず遠慮がちに腰のあたりにのっているだけで他は横に落ちていた。
その間からスラリと伸びている、真っ白い脚。抱き枕を脚で挟んでいるせいで寝間着は捲り上げられていて、太ももが晒け出されている。
キメ細かい肌が暗闇の中でも微かな月の光が当たっているだけでその存在を一層引き立てていた。
まだ中途半端に着ている寝間着のことなんて頭から飛んでいて。
触れたい。
その感情だけが頭を支配する。
コイツにはこういう感情を誘い込む能力でもあるのか。
近くに寄り、沖田の脚の横に片手をついて寝間着の裾にそって指先を走らせた。
それまで、規則正しく聞こえていた寝息が一瞬で乱れた。
(…相変わらず、敏感な身体だな)
そうしたのは、自分なのだが。土方は苦笑いを零す。
「ん、…っ」
脚のラインをつー、となぞってやると甘い声が聞こえた。
土方はニヤッと笑うと出来るだけ内股の近くに軽く唇を当てるとちゅ、っと吸い付いた。唇を離すとそこには真っ白な肌によく映える綺麗な赤。
その赤をぺろりと舐めた。
さあ、いつになったら瞼を開くのやら。
月は、雲の中に消えていった。
moon
(寝たフリしてることなんてお見通し!)
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