愛してるのは君だけ

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「大丈夫!?沖田くんっ」 すぐさま、ベッドの上で俯いている沖田に近付いた。 「…せんせぇ…っ」 すると、緊張がほどけたのか涙目で泣きそうな顔をしながら銀八を見上げた。 「っ…!」 その様子に襲い掛かりたい衝動に駆られるが必死に抑えて優しく頭を撫でた。 「、大丈夫か?」 銀八が声をかけると沖田は銀八の首に手をまわして膝立ちになって抱き付いた。 「ちょっ、沖田くん?」 「………」 「どうしたの?」 話しかけても沖田は黙ったままで喋らないし動かない。 「あの、沖田くん?このままだとヤバいんだけど…その、いろいろと…」 「……せんせい」 「、何?」 やっと喋ったかと思ったら 「用事あるんで帰っていいですかィ?」 などと言った。 「へ………」 「…だめ?」 沖田がわざとらしく銀八の耳元で囁くと銀八は少しの間黙った末、こう言った。 「…しょうがねェな」 「やった」 「但し、先生とヤ」 「そいじゃ、また明日」 ばいばーい、せんせーと言って沖田はさっさと保健室から出て行った。 残された銀八はひとり溜め息をついた。 沖田とふたりで居られなかったから、ではなく諦め、の。 沖田が校門に行くとひとりの男がいた。 「……遅い。どんだけ待たせる気だ」 「…別に待ってくれなんて頼んでやせん」 「…ああそうかよ。でも、」 「?」 「その割には嬉しそうな顔してんじゃねえの」 「っ!」 言われた途端に顔を真っ赤にして目の前の男を思い切り睨みつけた。 愛してるのは君だけ (俺ァ、諦めねぇからなァ…)
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