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頬をくすぐっていた女の子の髪がすいっと離れ、と同時に女の子はくすくすと笑いだした。
「いやぁごめん。こっちが悪いんだ。ちょっと荷物整理してたら転けちゃって」
「え、あ。はぁ…」
女の子は何事もなかったかのように離れてベッドの端に腰かける。
僕はまだ目覚めきってない頭でぼんやりと、なんで女の子がいるんだろう…なんて考えていたら、不意にその子が口を開き、手をこちらに向けて広げた。
「私、安東瑞祈。今日から一緒の部屋ね。よろしく」
よく分からず、取り敢えずといった感じで「こちらこそー」なんて握手してみて、僕はやっと気付く。
ここは地獄であったことを。
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