ぷろろーぐ

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   眞銅良子。人のことは言えないけど、彼女は学校の有名人だ。面倒見が良く、後輩に慕われ、尚且つ容姿も良い。そんな絵に描いたようなカッコ可愛いお姉さんだ。  そんな彼女に、僕は学校から連れ出された。そして、彼女の家に連れ込まれた。  それまでの道中、 「ちょ、ちょっと! なんなんですか!?」 「粟井紫くん、強引なのはすまない。しかし、私は思い立ったら吉日という言葉を座右の名にしようか悩んで結局辞めた程だ」 「辞めたんだッ! でも、意味不明です!」 「早退の手続きは私の可愛い後輩達に頼んできた。その事は心配しなくて良い。荷物も後で持ってきてくれる」 「いたせりつくせりですねッ! お願いしますから下ろしてください!」 「ここが私の家だ」  こんな会話があった。その間中、僕は公衆の面前でお姫様抱っこをされていた。しかし幸いにと言うべきか、走っていたので顔は見られていない筈。それだけが救いだ。  そんな事情で彼女の家、彼女の部屋へと招かれ、もとい拉致された僕。フローリングに座り対面しているが、むこうは終始笑顔でなんだか怖い。そして、訳が分からない。  ……僕はどうなるんでしょう?
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