73人が本棚に入れています
本棚に追加
顔色が青、赤へと瞬(まばた)きの間に変化する。どうやら自分のしでかしたことに気付いていなかったらしい。これは……天然? なのかな?
「なんていう事をしたんだ、私は。ああ……恥ずかしい恥ずかしい。どうする? 明日の学校へはどういう顔をして行けば良いんだ?」
頭を抱えて、良子さんはぶつぶつと何かを呟く。今更どうこうしたって後の祭りなのに。でも、それくらい彼女にしたら大問題なのだろう。
何を思ったのか、彼女はポケットから携帯を取り出し、どこかへ電話をかける。
「……もしもし。私だ。とんでもない事をしてしまった。このまま外を歩けば私の羞恥心は耐えられない。だから、私は明日から休学したいのだが」
「ストォォォォップ! ストップ! ダメッ! それはダメです!」
携帯を奪い取り、通話を終了させる。本当に焦った。まさか休学なんて言い出すとは思わなかった。この人はよくここまで生きてこれたな、と本気で思った。
「先輩、良いですか?」
両手を顔をホールドし、目を合わせる。
「何も無かった。あなたがそう言えば、今日の事は無くなります。わかりましたか?」
彼女の求心力はそれほどに凄い。例えそれが黒だろうが、眞銅良子その人が白と言えば、彼女を慕う後輩達によって白になる。
最初のコメントを投稿しよう!