ストレス

始まり。

35度。まだ３月半ばだというのにこの気温。地球温暖化といっても少し異常だ。駅前のバスを待つサラリーマン、老人、どことなく品の漂う婦人、みな眉間にシワを寄せている。駅前交番勤務になって１年になるが、こう暑いと本署勤めがこいしくなる。
石田誠。警察官になって５年目の春。妻子持ちの２８歳。
「暑いなぁ、こんな３月は初めてだ。どうなってるんだ？いったい。」
何か飲もうと立ち上がった瞬間、バタッ！何かが倒れる音がした。（バス停？）石田はバス停を見た。バス待ちのサラリーマンが倒れたのだ。