11/27

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
  「よし、間に合った」      俺が引きずられて数分後、やっと学校が視界に現れてほっと一息つくノートの友達。その外観は学校というよりも聖堂に近く、円形の青い外壁と、中心に高くそびえる時計台が印象的な場所だった。      校門をくぐった辺りで、見覚えのある後ろ姿を発見した。背が小さい茶髪の女の子。   「あ、ミラだ。おいノート、ミラの所に行って声掛けてやれよ。きっと今頃寂しがってるぜ」   「いや、でも… 」   気まずいムードになった後だし、声掛けづらかったから、俺は躊躇ったのだが、   「いいからいいから。行ってあげなよ」   ノートの友達に背中を押されてしまった。振り返ると彼は笑顔で親指を立てた。グッジョブってやつですね分かります。      こうなったらやってやろうじゃねえか。何しろ俺は、気まずい空気を和ませる方法を知ってるからな。俺はそっとミラに近付いて、後ろから両手で――   「ひゃん!」   ミラの胸を揉んだ。      その後、俺はミラに半殺しにされたのは言うまでもない。一本背負いを喰らい、腹を数回踏みつけられ、呼吸困難に陥ったのだった。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加