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  「そういえば知ってる? 一昨日の夜、王立図書館にある禁術の書が盗まれたんだってさ」      しばらく無言の俺達だったが、沈黙を破ったのはルファだった。      ちなみに俺は会話をする気力すら残っていない。ミラに半殺しにされた挙げ句、ルファに首根っこを掴まれて引きずられているからだ。ルファ曰わく、放っておくと逃げ出すかららしい。ノートという人物はよほど信用されてないようだ。   「ふうん、知らなかった。それかなりヤバくない?」   ルファの話にミラが相槌をうつ。   「それでさ、その盗んだ奴はたった一人、俺達と同じくらいの年の少年だったらしい」   「え? たった一人で?」   「そう。しかも、正面から堂々と突破したらしいぜ」   「すごい… あの警備を一人で相手にしたの?」   「らしいぜ。相当強い奴だったんだと。今国を挙げてそいつを探してるところなんだ」   「うへぇ―怖いね。ねぇ、ノートは知ってるの?」      突然俺に話を振られてきた。そもそも何の話なのかがさっぱり分からない。いや、話は聞いていたけど、禁術の書がどうのこうの言われても全く意味が分からない。      俺は正直に今の自分の気持ちを伝えた。
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