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「どこの国の話だよ」
「ここだよ!」
「ここだよ!」
二人そろってツッコミ入れられた。
王立なんちゃら言ってたんだから、ここが日本じゃないのは確かだ。でも言葉が通じる。明らかなる矛盾が生じている。一体どうなってんだこれ。
「ほら、着いたぜ」
教室に着いた途端、乱暴に放り投げられた。ルファの奴、人を猫みたいに扱いやがって。ちなみに俺は首根っこを捕まれたままの状態でここまで来ました。
派手な外装とは裏腹に、室内は案外普通だった。ミラとルファはそれぞれ自分の席に着いている。どうやら二人ともクラスメートだったようだ。
「いつまでそこにいるの? 早く席に着けよバカが」
「バカが」が口癖のミラは、彼女の前の席を指差していた。あそこが俺… いや、ノート君の席らしい。
ていうかバカはミラの方だ。俺が盛大に投げ飛ばされて倒れているのが見て分からないのかよ。体はあちこちガタがきてるし、起き上がるの辛いし。全部ミラのせいだろ。胸は揉んだけど。
やがてチャイムが鳴り、担任の教師が来て、何事もなくホームルームが終わる。ここまでは普通だった。だがこの後、俺は地獄のような授業を体験することになる。
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