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異常なのは教科書の内容だった。
そこには俺が今まで習っていた歴史などは一切載っておらず、魔法大戦がどうとか、ドラゴンについて、などが記されていた。
俺は嫌な予感がして、そこに載っている世界地図を見た。そして、疑問は確信へと変わった。
俺は異世界にいるノート・ブルークレイという人物の体に宿ってしまったのだ。
最悪だ。魔法が存在する世界は魅力的だが、自分の体が心配だ。抜け殻のような状態になっているのか、それともノートが乗り移っているのだろうか。どちらにしろ、早く元の体、元の世界に戻りたい。
あまりにぶっ飛んだ状況を頭の中で整理できず、しばらく放心状態になっていた俺だったが、後ろから痛恨の一撃を喰らって我に返った。
「痛っ!」
「いつまでぼーっとしてるの? もう授業終わっただろバカが」
痛みの原因はやはりミラだった。
「次は実技魔法ね。私はちょっと離れるから、ノートを逃がさないでね、ルファ」
「了解。ほらノート、外行くぞ」
どうやら次はあの暴力女と離れて、ルファと授業を受けるらしい。
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