1人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
いや、待てよ? 今の俺は体がノートだ。つまり、この体に備わっている魔力があれば、俺でも魔法が使えるのではないだろうか。そう思うと目の前が少し明るくなったような気がして、隣にいるルファに元気よく言葉を返した。
「おう! お互い頑張ろうぜ」
笑顔で親指を立てている俺を見て、ルファもつられて笑い出す。
「ははっ! 珍しいな、お前がやる気出すなんて。今日は勝たせてもらうぜ」
そして、俺とルファは勢いよく外へと飛び出した。自分にも魔法が使えるという期待を膨らませて。
三限目が始まった。俺達は皮の鎧を装備し、竹刀を片手に持っている。教師の話によると、今日は剣術と魔法を使って戦うらしい。俺は魔法剣士になった自分を想像し、完全に陶酔していた。
(魔法剣士… かっけえー!)
結論から言うと、やっぱり魔法は使えなかった。
まず、魔法を使うには、魔法陣を介さなければならないのだ。つまり、魔法陣など描けない俺ではお話にならないということだ。
最初のコメントを投稿しよう!